無汗症とコリン性蕁麻疹は関係ある？発疹の原因は“汗”じゃない！？

コリン性蕁麻疹と無汗症の関係とは？

コリン性じんましん（※医学的には「コリン性蕁麻疹」とも表記されます）は、汗をかくタイミングで発疹やかゆみが出る症状として知られています。

その一方で、「汗が出にくい」「ほとんど汗をかかない」という**無汗症（むかんしょう）**の方が、同時にこの蕁麻疹に悩んでいるケースもあります。

「汗が出ないのに、なぜ汗のじんましんが出るの？」

と感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、コリン性蕁麻疹と無汗症の関連性、そして注意すべきポイントについてお話ししていきます。

無汗症とは？

無汗症とは、その名の通り「汗が出ない」または「極端に汗が少ない」状態を指します。

原因はさまざまですが、

• 自律神経の乱れ
• 皮膚の汗腺機能の異常
• 先天的な要因
  などが関与しているとされています。

汗は、体温調整や老廃物の排出に関わる大切な働きを持っており、
それがうまく機能しないことで、体のさまざまな不調にもつながることがあります。

なぜ「汗が出ないのに蕁麻疹が出る」のか？

コリン性蕁麻疹は「汗そのもの」ではなく、**汗をかこうとする“内側の反応”**が原因で起こるとされています。

汗をかきにくい人が体を温めたり、運動や入浴をした際に、
体の中では“汗を出せ”という指令が出ているのに、実際には汗が出ない。

このときにアセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、
その刺激が皮膚に作用して、じんましんが現れるのです。

つまり、汗が出ていなくても、体の中では汗を出そうとしている反応が起こっており、
その反応こそが、コリン性蕁麻疹の引き金になっているのです。

僕が相談を受けたケース

実際に、無汗傾向の方から相談を受けたことがあります。

「走っても全然汗をかけないのに、全身に赤いポツポツが広がって…」
「汗が出ないから熱がこもって、余計に不快なんです」

こういった声は、特に体質的に汗をかきにくい方や、
自律神経が不安定になりやすい方から多く届いています。

無汗×コリン性蕁麻疹の方が気をつけたいこと

汗が出にくい方がコリン性蕁麻疹を持っている場合、
以下のような点に注意することをおすすめしています：

• 急激な体温上昇（熱いお風呂・激しい運動）を避ける
• 軽い運動や半身浴で、じんわりと汗腺を刺激する習慣をつける
• 水分補給をこまめに行い、代謝を促す
• 自律神経を整えるための呼吸法や生活リズムの見直しを行う

無理に汗を出そうとする必要はありませんが、
「汗をかこうとしている体の反応」とうまく付き合う意識がとても大切です。

まとめ：汗が出ない人こそ、じんましんと丁寧に向き合って

• コリン性蕁麻疹は「汗が出ない人」にも起こる
• 原因は“汗をかこうとする”神経反応によるもの
• 無汗症との併発は、体の内側のバランスの乱れが関係している可能性も
• 体温調整・代謝促進・自律神経ケアを意識することが重要

汗が出ないのに、つらいじんましんが出るという矛盾に、
戸惑う方も多いと思います。

でも、それは体が一生懸命に働こうとしてくれているサイン。

優しく向き合って、少しずつ自分のペースで整えていきましょうね。